イラストレーターのアウトライン化とは? 方法や注意点を解説!

「アウトライン化」は、イラストレーターやPDFで使われる操作のひとつです。アウトライン化の作業は、チラシ・ポスターや看板などをデザインした後、印刷や製作を委託する際に必要なケースがあります。今回は、イラストレーターで行うアウトライン化の説明をはじめ、具体的なやり方や行う際の注意点を紹介します。
アウトライン化とは?
イラストレーターにおけるアウトライン化とは、テキストのデータを図形としてのデータに変換することです。イラストレーターと同じAdobeのソフト「フォトショップ」では画像化を行うため「ラスタライズ」と呼ばれています。
テキストのデータは、パソコンのOSやバージョンなど環境によって見え方が変わるものです。例えば、ポスターの見出しや本文をテキストデータとしてそのまま保存すると、他のパソコンで同じファイルを開いた際に、フォント・体裁の齟齬や文字化けが起こる可能性があります。アウトライン化には、テキストデータによる印刷時の不備を防ぐ目的があります。

イラストレーターでアウトライン化する方法
以下は、イラストレーターを使って実際にアウトライン化を行う手順です。
①レイヤーのロックを解除:レイヤータブの南京錠のマークをクリックすることで解除できます。

②オブジェクトのロックを解除:上部のツールバーから「オブジェクト」を選び「すべてをロック解除」を選択します。ロックされているオブジェクトがない場合は選べません。

③アウトラインの作成:ツールバーの「選択」から「すべてを選択」を実行します。ツールバーの「書式」から「アウトラインを作成」をクリックして終了です。


アウトライン作成は、以下のショートカットキーも有効です。
・OSがWindowsの場合 「ctrl + shift + o」
・OSがMacの場合 「comand + shift + o」
アウトライン化を行う際の注意点
続いては、アウトライン化を行ううえでの注意事項を紹介します。作業自体は簡単ですが、些細な見落としが印刷時のミスにつながる可能性もあるため、後悔しないようチェックしていきましょう。
選択ミスや孤立点による変換漏れに注意する
イラストレーターを扱っていると、レイヤーを変えたり、さまざまな図形を作ったりと制作のための操作を行うシーンがあります。テキストがなにかのオブジェクトに隠れていたり、小さくて気付かなかったりすると、適切な選択ができずアウトライン化されないといったケースもあるので注意してください。
例えば、テキストツールで一度クリックし、文字を入力しないままで別のツールに切り替えた場合、「孤立点」と呼ばれるフォント情報のみが残ります。この孤立点が残っていると、アウトライン化できていないオブジェクト扱いになってしまうため、必要のないテキストボックスを作ってしまったら削除するよう心がけましょう。
変換漏れが無いかを確認する
アウトライン化を行ったあとは、アウトライン化のツールバーの「書式」から「フォント検索」を実行し、アウトライン化のもれが無いかどうかを確認するのがおすすめです。検索を行った際に「ドキュメントフォント」の数が(0)であれば、すべてアウトライン化されていることになります。

アウトライン化は保存をすると解除できない
アウトライン化を実行したあとのテキストは、内容やフォントが変更できなくなるため注意が必要です。アウトライン化をして保存をするとデータが戻せなくなるため、予備のデータを作っておいたり、完成したデザインとなっているかを最終確認したりと、保存の前に注意しておきましょう。アウトラインをかけたデータにはアウトラインを意味する「OL」などとつけておくと判別しやすくなります。

まとめ
文字の情報を図形の情報として置き換えるイラストレーターのアウトライン化は、完成したデータをしっかりと制作物に反映させるために役立つ操作です。アウトライン化自体のステップは簡単なので、見落としが無いように確認をしながらデータを完成させましょう。