横断幕・懸垂幕キングへようこそ!横断幕・垂れ幕・大判シートの印刷ならおまかせ。1枚3,025円~制作可能です!【日本全国対応】

お問い合わせ
横断幕・応援幕
店頭幕
足場幕
看板幕
のぼり旗

昇華プリントとはどのような印刷方法?特徴や注意点を解説

昇華プリントとはどのような印刷方法?

「オリジナルデザインを発色良く印刷したい」「フルプリントでグラデーションも豊かに表現したい」と思う方々へ、今回は昇華プリントの特徴を解説します。

昇華プリントとは、ポリエステル生地に特有の方法を使ってデザインを印刷する方法です。鮮明な発色を実現し、生地の風合いを保つメリットがあります。この記事では昇華プリントの仕組みや特徴、注意点について解説します。

昇華プリントの活用場面やほかの印刷方法との違いもわかりますので、ぜひ参考にしてみてください。

昇華プリントにおける生地にインクをしみこませる工程

昇華プリントは、ポリエステル生地に直接染め込む特殊な印刷方法です。デザインは、専用のシートに昇華プリント用のインクを使って印刷されます。大型インクジェットプリンターを使用しておこなわれる工程は以下のとおりです。

  • 専用シートに分散染料のインクを吹き付けてデザインを印刷する
  • 出力したシートと生地を重ね合わせる
  • プレス機で200度の熱と1分間の圧力をかけ、熱でデザインを気化させる
  • 気化したデザインがポリエステル生地に密着し、冷える過程で染料が生地に染み込む

昇華プリントの基本的な仕組みは、アイロンの熱を利用するアイロンプリントと似ています。ただし、アイロンプリントがデザインを熱で生地に貼り付ける手法に対して、昇華プリントはデザインを生地に染み込ませる方法です。染める手法が昇華プリントの大きな特徴であり、生地の風合いを損なわずに染色が可能です。

昇華プリントを使った場合、発色の良さや生地の風合いを活かせるといったメリットがありますが、同時にいくつかのデメリットに注意が必要です。ここからは、昇華プリントを使う場合の特徴について詳しく解説します。

昇華プリントは前述のように特有のプリント方法を用いるため、さまざまな優れた特徴をもっています。以下に、昇華プリントの利点について紹介します。

昇華プリントのメリットの例

昇華プリントは発色が非常に優れており、デジタルデータや画像データをそのまま転写できる利点があります。細かいデザインや文字の印刷も可能で、グラデーションを美しく再現するため、写真やデザイン画などの印刷に向いています。

生地に直接インクを染み込ませる昇華プリントは、触れた部分の感触がほとんど変わりません。生地にデザインを貼り付けたような印象を与えることなく、自然な風合いが保たれます。生地の雰囲気を十分に生かしたい場合に、イメージどおりの仕上がりを得られるでしょう。

昇華プリントではポリエステル繊維の分子構造にインクが浸透するため、色落ちやひび割れがほとんど起こりません。耐久性が非常に強く、長期間にわたって鮮やかな色合いを維持します。また、くり返し洗ってもデザインに影響がない点がメリットです。

昇華プリントは比較的シンプルな製作工程で印刷されます。繊維内にインクを染み込ませて発色させるため、後工程(蒸しや洗い)が要りません。このため、小ロットの製作や短納期の対応が容易であり、柔軟な生産が可能です。

昇華プリントの製作時に熱を利用するのは短時間であるため、エネルギーの使用を抑えられます。さらに後工程がなく水の使用量も少ない点もメリットです。環境に優しく、持続可能な社会の実現に寄与する印刷プロセスと思われます。

以上のように昇華プリントは、デザインや生地の風合いを生かした美しい印刷を施すことが可能で、環境にも優しい印刷方法です。

昇華プリントには上記で挙げた利点が存在する一方で、いくつかのデメリットがあります。ここでは、昇華プリントの課題について解説します。

昇華プリントのデメリットの例

昇華プリントはポリエステル生地にしか定着しませんが、ポリエステルであればメッシュやベロアなどさまざまな風合いの生地に印刷できます。綿や麻などと混紡生地にも応用可能です。ただし、ポリエステル以外の綿や麻の部分は染色されないため、独特の仕上がりになります。

昇華プリントは白や淡色の素材と相性が良いですが、黒色や紺色、赤色など濃い色の生地にはあまり向いていません。濃い色の生地にプリントするとデザインが生地に沈み込んだような印象になり、見えづらくなる可能性があります。

昇華プリントは色落ちがしにくい利点がありますが、アイロンの熱をかけるとインクが再び気化し、色落ちするリスクが高まります。同様に、ほかの衣類と一緒に乾燥機にかけると、昇華プリントの色が別の生地に移る可能性があります。白地の衣類と昇華プリントのアイテムを同時に扱う場合は、とくに注意深く取り扱いましょう。

昇華プリントは高温で気化したインクを生地に染み込ませる方法であるため、長時間日光に当たることで色あせの影響を受けるかもしれません。その理由は、高温下にさらされることでインクが気化し、色が薄くなってしまうためです。洗濯物を干す際には、日陰で吊り干しすることをおすすめします。

このほかの課題として、昇華プリントは小ロット対応が得意な一方で、大量生産には不向きな場合があります。昇華プリントを利用する場合は、紹介したメリットやデメリットを考慮し、予算や印刷枚数などに応じて印刷を依頼するようにしましょう。

昇華プリントが用いられる場面の一例

昇華プリントは、さまざまな場面で広く活用されています。おもな用途として以下の5つを紹介します。

  • 洋服:Tシャツやユニフォーム、ブラウス、着物など
  • 雑貨:バッグやタオル、スカーフなど
  • インテリア:カーテンやクッション生地
  • 販促やイベント:のぼり旗や幕、タペストリーなど
  • 企業のノベルティ:マグカップやキャンバストートバッグなど

昇華プリントは美しく繊細な発色を実現するため、イラストや写真のデザインを際立たせる点が魅力です。このため、昇華プリントは多様な生地やアイテムに施され、企業のマーケティングにも活用されています。

マグカップやトートバッグなどはポリエステル商品ではないのですが、ポリエステルコーティングといった加工技術を使うことで、加熱可能な陶器や布などに印刷が可能です。

以上のように昇華プリントは、幅広いデザイン性と再現性の高さから、企業や団体のブランディングにも貢献しています。

印刷方法には、昇華プリントのほか、フルカラー転写プリントとインクジェットプリントなどが挙げられます。以下に、ほかの印刷方法との違いについて解説します。

フルカラー転写プリントは、デザインを専用シートに熱で圧着させて生地に貼り付ける方法です。熱転写プリントとも呼ばれ、アイロンプリントに近いプリント方法です。

フルカラー転写プリントは暗く濃い色の生地にもプリントが可能で、色の鮮やかさが特長となります。ただし、プリント部分を熱で貼り付けるため、印刷されている所と印刷されていない所の差異が生まれます。

共通点としては、昇華プリントもフルカラープリントともに「転写」の工程があることです。しかし、昇華プリントは「熱で生地を染める」のに対し、フルカラー転写プリントは「熱で生地にデザインを圧着する」方法であり、アプローチや仕上がりが異なります。

利用する場合は以上の違いを理解し、デザインや目的に応じて適切なプリント方法を選択しましょう。

インクジェットプリントも昇華プリントとは異なる印刷方法を採用しており、デザインや素材に違いがあります。

インクジェットプリントは、家庭用プリンターと同様に、生地に直接インクを吹き付けて印刷する方法です。おもに綿素材に適しており、グラデーションの表現も得意ですが、発色がやや薄めです。また、綿素材に対する印刷特性からにじみが生じる可能性があります。

一方、生地に染色するタイプの昇華プリントは、ポリエステル100%の生地に対応しています。にじみはほとんどなく、発色の良さとデザインの再現性が特長です。

以上の点からプリントを選択する場合は、使用する生地や発色、にじみなどを考慮し、最適なプリント方法を選ぶことが重要です。

なお、インクジェットプリントについては、こちらの記事でも説明していますので、綿素材への印刷を考えている方はぜひチェックしてみてください。

インクジェット印刷について詳しく見る

昇華プリントは発色の良さと生地の風合いを最大限に活かす印刷方法で、とくにポリエステル生地において高い再現性を発揮します。一方で、濃い色の生地にはあまり向かず日光に弱いデメリットがあります。

印刷を検討する際には以上の要素を考慮し、デザインと用途に最適な印刷方法を選択することが重要です。各印刷方法の特徴と違いを理解し、デザインの魅力を最大限に引き立てましょう。