インクジェット印刷の仕組みと他のプリント方法との違いを紹介
インクジェット印刷は、色やデザインの再現性が高く、1枚から低コストでプリントできるなどの特徴があります。
そのため、写真などを色鮮やかに印刷したい、解像度にこだわりたいなどの場合にはインクジェット印刷がおすすめです。
この記事では、印刷の流れやメリット・デメリットなど、インクジェット印刷の基本的な構造について解説します。オフセット印刷やレーザー印刷との違いもあわせて解説しているため、自分のぴったりの印刷方法を見つける参考にしてください。
インクジェット印刷の仕組みを解説
インクジェット印刷は高品質な印刷が実現できる印刷方式で、家庭用プリンターでも多く用いられています。
まずは、インクジェット印刷の仕組みについて解説します。
インクジェット印刷とは？どこで使われている？
インクジェット印刷とは、CMYKを基本とした微粒状のインクを用紙に直接吹き付ける印刷方式です。
スプレーのようにインクヘッドを対象物に接触させずに着色でき、1枚からでもコストを抑えて印刷することができます。
さらに、それぞれに適した性質のインクを使うことで、用紙や横断幕、店頭幕などの生地のほかに、ペットボトルや食品パッケージなどの賞味期限、各種バーコードも印刷できます。食用色素を使った可食インクを使えば、お菓子などに文字や絵をデザインする「フードプリント」も可能です。
インクジェット印刷の工程
インクジェット印刷の工程を大まかに整理すると、以下の３つに分けられます。
- パソコンやスマホなどのデジタル機器から、印刷するデータを確認する
- インクジェット印刷機に、印刷したいものをセットする
- デジタル機器から印刷機にデータを読み込ませ、印刷する
インクジェット印刷では、製版工程や印刷後に加熱してデザインを定着させる工程は必要ありません。
また、一度に複数を印刷する場合は、パソコン上でデータを配置・組み立て作業を行ってから印刷機にデータを読み込ませましょう。
インクジェット印刷におけるメリットとデメリットとは？
インクジェット印刷におけるメリットは、以下の点です。
- 印刷用の版が不要
- 色数の制限がない
- 素早く印刷できる
印刷用の版が不要なため、小ロットの製作にもおすすめです。
また、さまざまなカラーに対応しており、単色はもちろん、写真やグラデーションなど多彩なデザインも印刷できます。なお、再現度は、プリンターによって異なるため注意しましょう。
オンデマンド印刷やレーザー印刷と異なり、電源を入れてすぐに印刷ができる点もメリットです。
一方、デメリットとしては、以下の点があります。
- 大量生産は向いていない
- 特色や蛍光色は表現できない
印刷に時間がかかるため、500部や1000部といったような大量生産には適していません。また、一部のプリンターを除き、金・銀などの特色や蛍光色の再現はできない点もデメリットといえるでしょう。
他の印刷方法との違いは？
印刷方法には、ほかにもオフセット印刷やレーザー印刷などいくつか種類があります。
ここからは、インクジェット印刷以外の代表的な印刷方法について解説します。
オフセット印刷
オフセット印刷は、デザインから版を作成し、ブランケットと呼ばれる転写用のローラーから印刷物に転写する印刷方法です。
多彩な色の印刷に適しているだけでなく、大部数を印刷する場合に品質を維持しながらコストを安く抑えられるという強みがあります。
また、似た方法としてシルク印刷があります。
ブランケットに1度転写するオフセット印刷と異なり、シルク印刷は、スクリーンとよばれる版板にインクをつけて直接製品に印刷する方法です。
特色を用いて色鮮やかに表現できるほか、はがれや色あせが生じにくいのがメリットです。
レーザー印刷
レーザー印刷は、トナーといわれる粉状の色材を使って印刷する方法です。
感光体と呼ばれるローラーの表面に、デザインデータをもとにレーザーで印刷イメージを描き、トナーを付着させた後、用紙に押し付けて印刷します。
大きな特長は、印刷スピードが速いことです。また、普通紙・再生紙でもカラッと仕上がって光沢がつき、水がついてもにじみや劣化が起きにくいというメリットもあります。
短時間に大量に印刷できるため、会議資料や書類などの文書に適しています。
コンビニのコピー機と家庭用のプリンターを比較！
印刷にはさまざまな方法があり、効果的に印刷するためには、利用シーンにあわせて選ぶことが大切です。
たとえば、コンビニのコピー機と家庭用のプリンターとでは主に次のような違いがあります。
- コンビニのコピー機：レーザープリンター
- 家庭用のプリンター：インクジェットプリンター
レーザープリンターの場合、一度に文書を大量印刷する場合にはおすすめですが、全体的に白くなりすぎることがあります。コンビニで写真を印刷する場合は、事前に色味の確認をしておきましょう。
一方、インクジェットプリンターは、一般的なレーザープリンターに比べて3〜4倍解像度が高く、陰影など色のコントラストを細かく再現できるといった強みがあります。
そのため、鮮明な写真を印刷したい場合は、インクジェットプリンターがおすすめです。
まとめ
インクジェット印刷は、印刷用の版を作る必要がないうえ、サイズの制限がなく、インクのカラーにもとらわれないため、さまざまなシーンで活躍する印刷方法です。
食用インクジェットを使えば、クッキーやマカロン、せんべいやビールの泡の上などにも直接印刷できます。
印刷速度は決して速くないため、大量印刷には向かないものの、鮮やかなデザインで高画質に印刷したい方にはインクジェット印刷がおすすめです。
横断幕・懸垂幕キングでは、フルカラーのインクジェット印刷を採用しています。
グラデーションなど多彩なデザインにも対応しているため、横断幕や店頭幕などの製作を検討している方はぜひご利用ください。